これらの素晴らしい作曲家たちは、 ”On Green Dolphin Street”, “Emily”, “Invitation”等の現代でも演奏され続けているスタンダードを生み出しました。彼らの多くがクラシックの素養を持つジャズミュージシャンでした。
クラシックの素養を持つジャズミュージシャンにしてThe Lost Sweetsの音楽監督、浅川太平氏のそれぞれの楽曲のオリジナルアレンジが光ります。バロック風の“The Shadow Of Your Smile”や、ポストコロニアル的視点でリハーモナイズされた“South Of The Border”をぜひ聴きにいらして下さいませ。
実は私、2/27が誕生日なのですが、この日に関内ベンテヌートで、エリザベス・テイラーにまつわる企画ライブをThe Lost Sweets名義で開催します。
毎回文化的なテーマを掲げているThe Lost Sweetsのライブ。今回は女優をテーマにしよう、それならやはり、大女優エリザベス・テイラーではないかということで、まず最初にテーマが決まり、偶然にも、彼女の誕生日と私の誕生日が同じ日なことが発覚し、せっかくならこの日に開催しよう、という運びになりました。(テーマが決まる前の当初のライブ開催予定日は2/28でした。それでもたった一日違いという偶然も凄いけど!)
少女はさっそくレンタルCDショップで数あるビリー・ホリデイのアルバムの中から、何もわからないまま、憂えた女性の横顔に惹かれ、”Lady In Satin”を手に取りました。それは予想した以上にとても危険で、甘美で、エレガントで、野蛮な音楽でした。こんなに危険な音楽を頻繁に聴いてはいけない、人生がままならなくなってしまう、と感じました。今では、今でも、私は圧倒的にビリー・ホリデイが好きで、ままならない人生を送っています。
アメリカ南北戦争の頃に誕生したとされるアメリカの大衆歌謡曲。舞台は南北戦争中、南部にある女性だけで運営している寄宿学校。女生徒が森の中で深く傷ついた北部の兵士を見つけ、見殺しにできず連れて帰って来る。最初は恐る恐る兵士の世話をしていた面々だが、唯一の男性の存在に少しずつぞれぞれの登場人物に変化が…、という場面で、女生徒のひとりがこの曲を口ずさむ。エルヴィス・プレスリーの”Love Me Tender”の原曲。”Aura Lee”とは、オーロラの光という意味。兵隊たちが故郷の恋人を想って歌ったとされる。「春が来て、ヤナギの上にはブラックバードがオーラリーを歌う。オーラリー、黄金の髪の少女、木々、太陽、飛び交うツバメ」
末の娘の自殺、そして四女のラックスの朝帰りで気がおかしくなった母は、娘たちを家に閉じ込めて、学校に通うことさえ禁止する。そんな中、四姉妹を慕う男の子たちは、なんとか彼女たちとコミュニケーションを取ろうとする。通常の電話は取り次いで貰えない。そこで電話をかけて、何を喋らずレコードをかけ、メッセージを送る。電話ごしに姉妹から返ってきた曲は、”So Far Away”。「あなたはとても遠いところにいる。ずっと同じ場所にいられる人なんているのかしら?もしあなたが私の部屋のまえに来てくれたら、どんなに素敵なことでしょう。でもあなたはとっても遠いところにいる。そしてそれを知ることは、なんの助けにもならない」
いきなり場面が変わってローラの結婚式。夫に促されてウェディングドレスのまま式場を抜け出すローラ。ベールを付けたままプールに飛び込む。ここまでずっとチェット・ベイカーの歌う”I Fall In Love too Easily”がかかっている。「自分は簡単に恋に落ちてしまう。その速度は速すぎるし、深すぎる、恋が永遠に続くためには」