Anything Blue横浜公演を終えて

あまり知られていないけれど、Fly Me To The Moonの歌詞のヴァース部分はこうやって始まる。


Poets often use many words 
To say just a simple thing 
It takes thoughts and time and rhyme  
To make a poem sing 
With music and words I’ve been playing 
For you, I have written a song 
To be sure that you’ll know what I’m saying 
I’ll translate as I go along…

Fly me to the moon
And let me play among the stars

詩人はたくさんの言葉を使うよね
たったひとつの単純なことを言う為にね
考えて考えて、時間を費やして、韻まで踏んで
どうにかして、たったひとつの節を、歌にする
今までに演奏してきた音楽と言葉で
貴方の為に曲を書いたの
貴方が私の言っていることを理解してくれるように
翻訳していくね
あのね…

私を月に飛ばして
そして星々の間で遊ばせて



地元横浜でのアルバム”Anything Blue”公演が終わった。自転車で帰宅しすぐマックブックと向き合いこれを書いている。私は横浜と横浜の人々を愛している。ロジャース&ハート名コンビの傑作のひとつ、”Manhattan”を聴く。都市への愛を歌ったこの曲を聴くと、彼らのどんなラブソングよりもとても切ない気持ちになるのはどうしてだろう。日本に住み続ける限り、私は横浜にいるに違いない。

今夜は私は呆けて録音することもメンバー写真を撮ることも忘れたので、せめてもの記録に、苦肉の策として、文章を書くことにした。渋谷JZ Brat公演の際にも同じことを書いたのだが、これはライブではなかった。いつも行っているあの行為がライブだとしたら、この出来事はライブではない。

Blue Lotusのピアノソロの間、一瞬の気の緩みで、目の潤いが増してしまい、Anything Blueに至っては時間差攻撃で今度は鼻からいつ水滴が落ちてしまうのかと、気が気でなかった、と言えば大袈裟であるが、顔面に多少の異変があったのは確かである。自作曲Anything Blueに対する感慨はもう何もない。あの曲はドキュメントであって、全てノンフィクションだけれど、産み落として以降、あの曲の中の物語はどんどん私から離れていって、今では全くもって私のものでなくなって、世界に帰属するものとなった。

アルバム”Anything Blue”は、トオイダイスケが、加藤咲希と言う「ジャズシンガー」をプロデュースしたアルバムである。私は彼にプロデュースされたという客体であるのだけれど、彼も私のプロデュースをすることを私に選ばれた客体である。もちろん彼はプロデュースをするという本来の分かりやすい主体であって、私は彼にプロデュースされることを自分で選んだので、私も主体である。プロデュースをする、される、という行為は、お互いが能動態であり、受動態である、そしてそれは入子構造になっている、などということを、あらためて思ったりした。

演奏直後の、興奮冷めやらぬフルーティスト小川恵理紗ちゃんの一言、「トオイさんって、天才ですね、天才なのですね、天才だ!トオイさんの音楽をもっともっともっともっともっと世界中のたくさんの人たちに聴いてもらいたいですね!」

そのとおりだね、恵理紗ちゃん。そして君の素敵なフルートとビートボキシング(今日は封印させてしまったけれども)も、きっともっともっともっともっともっと世界中のたくさんの人たちが聴いてくれるようになるよ。君たちは本当に素晴らしい。

私は人に恵まれていて、師匠の菊地成孔さんのお言葉を拝借するならば、ただ歩いていると、向こうから勝手に天才たちがやってくるのでした。ご来場下さった愛すべき皆さまと、音楽のカミサマに感謝します。

Tea For Two 意訳

新バンド、The Re:Bootees(リブーティーズ)のPVを作っているのですが、使用楽曲、Tea For Twoの歌詞を訳してみました!

今の時代に合わせる為、そして日本語にしたときの統一感の為に、意訳しているところもあります。

文芸翻訳家が常々感じているように、究極のところ、全ての翻訳は誤訳です。
でも元の言語の美しさが少しでも伝わるように、誠実でありたいとは思っています。

歌詞を訳す作業って好きです。今後も少しずつ上げていこうかなって思っています。

訳のリクエスト曲ありましたら教えて下さいませ⭐︎


Tea For Two

今の部屋ではぜんぜん満たされない
だから自分の家を作ることにしたの
ダーリン、ここは恋人たちのオアシスよ
時間に追われることもなく
都会の喧騒から遠く離れて
ここで花は咲き、小河は優しく流れる
ふたりで隠れて、隣り合って過ごすのが心地いい
お願い、私の夢で終わらせないでね

ハニー、感じてみて
私はあなたの膝の上
ふたりだけでお茶をする
お茶のためふたり
私はあなたのために存在し
あなたは私のために存在する

他には誰もいない
私たちは誰にも見えない
誰にも聞こえない
友達も親戚もいない
週末のヴァケーション
誰にも知らせない
スマホも見ない

夜明けが来て、私は目覚める
あなたのために甘いケーキを焼く
あなたが持っていけるように
他の男性が嫉妬するように

家族を作りましょう
きっと男の子をひとり産むわ
女の子もひとりね
ねえ、どれだけしあわせになれるか、わからない?


I’m discontented with homes that I’ve rented
So I have invented my own
Darling, this place is lover’s oasis
Where life’s weary chase is unknown
Far from the crowd of the city
Where flowers pretty caress the stream
Cozy to hide in, to live side by side in
So don’t let it abide in my dream

Oh honey, picture me 
Upon your knee
Just tea for two
And two for tea
Just me for you
And you for me alone

Nobody near us to see us or hear us
No friends or relations
On weekend vacations
We won’t have it known
That we own a telephone, dear

Day will break and I’ll wake
And start to bake a sugar cake
For you to take for all the boys to see

We will raise a family
A boy for you
And a girl for me
Can’t you see how happy we would be