ソフィア・コッポラ監督の映画音楽の世界を経て

あらためて、9/26関内Ben Tenutoでのライブにお越し下さった皆さまありがとうございました!

ソフィア・コッポラ監督の映画音楽を再解釈、再構築するというコンセプチュアルな試みで、DJセット、ピアノソロ、ボーカルライブの3部構成、この日の為に書いたプログラム付きでお届けしました。

私はジャズを歌ったり、別名義でポップスの曲を書いたり、ラップしてみたり、DJをしたり、文章を書いてみたり、周りからは色々なことをしているように見ていただくことも多いのですが、私自身の感覚としてはひとつのことをそれぞれ別の角度から表出させているだけなのです。

可愛くて、優しくて、グルーヴィーで、しなやかな世界。メランコリーと、悲劇を喜劇に変える錬金術の両立。

今回はLilla Flickaというアバンギャルドなペルソナすら必要とせず、全てが自然とひとつのイベントの中に収まりました。2回目のコロナ罹患からの病み上がり、いえ、罹患中から準備を始めましたが、体調の悪さを忘れさせてくれる豊かな時間でした。ライブ当日までに歌える体に戻っていったこと、支えて下さった皆さま、音楽のカミサマの采配に感謝です。今だから告白しますが、本当にギリギリでした(笑)

このイベントを開催させて下さったBen Tenutoさん、企画段階から携わって下さった浅川太平P(PはピアノのPそしてプロデューサーのP)、そして素晴らしき才能、ガーリーカルチャーというものを世に知らしめたソフィア・コッポラ監督に最上級の敬意と感謝を。エルヴィス・プレスリーの元妻を描いたという新作”Priscilla”も楽しみです。

いろいろな意味で夢のようだったソフィア・コッポラの映画音楽の世界はここでひと区切り。この企画ライブとは双子のまた別の企画ライブは10/18(水)赤坂dot&blueにて。

江國香織さんの名訳で日本でも広く知られることとなった作家、トレヴェニアンの自伝的小説をテーマにしています。こちらのライブは、ほぼジャズスタンダードのみでお届けすることになると思います。だって小説の中に収まりきらないほどのジャズが溢れているのだもの!

リアルタイムに流れていたガーシュウィン、ハート&ロジャース、コール・ポーター、ホーギー・カーマイケル…

スタンダードジャズファンの皆さまはお読みになられたら、その豊かさに驚かれると思います。

話をソフィア・コッポラ監督の映画音楽の方に戻して…各種SNSに少しずつアップしていた今回のイベントの動画やプログラムの文章を以下に纏めました。未見の方はぜひご覧いただけたら嬉しいです!

DJ set①

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02ptLJx1mN22sUKwX9acnQb6JHuwX28DhVveBNpGfW492EQ8zhEoUSgFYEe4uVs3ZCl&id=100003921013469

DJ set②

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid0FhcfsRDVs3CpECEenEYcF3usPMjjF9gGCHVBfcczynjW2UXyXYN9NN3TauraJeMHl&id=100003921013469

DJ set③

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid0egCQrNVVq7zdo2RXGK6kgauaPP2W9F4tLQkpao43Sx9QxwxUWmeucnCsVwwFTmwul&id=100003921013469

Piano solo

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid0HrLHbdV2DvYaQN7Ru4vGU9htFQWTboMfZzwRAdvRn2nYscx6Y9cc6V8ZbsWEyJY2l&id=100003921013469

Vocal live 

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02zETDC4GcSn6cwLsM19RoC86nJvxSYh2QF5jfuMuyQjS1khe1QTVDLHWt3vrXR5Pjl&id=100003921013469

【Piano Soloプログラム全曲解説】

< >の中は楽曲が使用された映画と登場時間

K. 213 (Sonata in D Minor) – Domenico Scarlatti

<Marie Antoinette 1:36:38>

このニ短調のソナタはマリー・アントワネットが憂鬱と退屈を持て余す場面で静かに奏でられる。曲が終わる頃には恋人のことを思い出して勝手に幸せな気持ちになり始めるというキュートな一面も。スカルラッティは1685生まれのイタリア出身の作曲家。音楽史上ではバロック期の音楽家であるとされているが、クラシック音楽の進化、発展に大きく貢献した。実際にヴェルサイユ宮殿の中でマリー・アントワネットが好んで聴いたり弾いたりしていたとされている。たった14歳の少女は政治的な理由から母マリア・テレジアの命により、フランス宮廷に嫁ぐことになる。世継ぎを産まなければならないという圧力、愛の不在、夫との友情、愛人、統治、権力闘争、噂話、孤独。そして彼女には(一時的には)湯水のごとく使えるお金があった。音楽は貴族の手習いであり、教養であり、暇つぶしであり、慰めであった。マリー・アントワネット自身もチェンバロやを歌を習い、貴族たちの前で披露することもあった。「やりすぎとか、使いすぎとか、そんなことってあるのかしら?」

The Air That I Breathe – The Hollies

<Virgin Suicides 0:16:16>

映画ヴァージン・スーサイズの物語は五女のセシリアが自殺未遂をするところから始まる。精神科医に、もっと娘たちに自由を与え、同世代の男の子たちと交流させるべきだと言われた母親は、これまでやったことのなかった最初で最後のホームパーティーを開催する。姉たちはセシリアの手首の傷をおもちゃみたいなたくさんのブレスレットをテープでとめて隠してあげる。パーティーで楽しそうにしている他の姉妹たちを尻目に、セシリアはずっと不満そう。もう自分の部屋に戻っていい?と母親に。母が許可を出した直後、今度は彼女は自殺に成功する。「煙草も、睡眠も、光も、音楽も、食べものも、本も、もう何もいらない。必要なのは君と愛を育むこと、そして呼吸するための空気だけ」

Aura Lee (Love Me Tender)

<The Beguilded 0:31:40>

アメリカ南北戦争の頃に誕生したとされるアメリカの大衆歌謡曲。舞台は南北戦争中、南部にある女性だけで運営している寄宿学校。女生徒が森の中で深く傷ついた北部の兵士を見つけ、見殺しにできず連れて帰って来る。最初は恐る恐る兵士の世話をしていた面々だが、唯一の男性の存在に少しずつぞれぞれの登場人物に変化が…、という場面で、女生徒のひとりがこの曲を口ずさむ。エルヴィス・プレスリーの”Love Me Tender”の原曲。”Aura Lee”とは、オーロラの光という意味。兵隊たちが故郷の恋人を想って歌ったとされる。「春が来て、ヤナギの上にはブラックバードがオーラリーを歌う。オーラリー、黄金の髪の少女、木々、太陽、飛び交うツバメ」

1 thing – Amerie

<Somewhere 0:13:14>

映画冒頭の15分でハリウッド映画のスター、ジョニー・マルコの生活が、たとえ華やかに見えたとしても、中身は空虚なものであろうことが淡々と描かれていく。15分の間に2回ポールダンサーたちをひとりで暮らしているホテルに呼び寄せる。2回目の音楽はこちらの 1 Thing、ドラムパターンが耳に残る2005年の世界的な大ヒットナンバー。ほぼフルレングスで流れる曲とダンサーたちの美しさが彼の生活の虚しさを際立たせる。アルコールと鎮痛剤。普段は別れた妻と暮らしている11歳の娘のクレオがやって来る直前の出来事。リズムオリエンティッドな名曲をあえて鍵盤のみで演奏するという意欲的な試み。「あれだけが私をトリップさせるの」

Smoke Gets In Your Eyes – Bryan Ferry

<Somewhere Ending>

本作のエンドロールのいちばん最後で流れるのがこの曲。11歳の娘クレオが去った後に初めて感情の揺れを見せるジョニー。元妻に電話をかけて、自分はどうしたらよいのか、自分は何者でもないと泣く。そばに来て欲しいと頼むが、それはできないと断られてしまう。でもあなたは大丈夫よ、と言う元妻。場面は変わってジョニーは慣れない自炊に挑戦、パスタを茹ですぎてしまう(きっと味も美味しくない)。住み慣れたホテルをチェックアウトし、フェラーリを飛ばして郊外へ。その後フェラーリも乗り捨て、歩き出した。「皆訊くんだよね、どうして僕の愛が本物だとわかるのかって。だから答えたよ、心の中に何か否定できないものがあるんだって。彼らはさらに言う、愛の火から立ち昇る煙で盲目になっているのだと。僕は笑った、この愛を疑うことができるなんて!でも今日僕の愛は去ってしまって、今度は皆が僕の涙を笑う番。だから笑顔を作って、消えた炎から立ち昂る煙が目にしみるんだよ、って言ったんだ」

【Vocal setプログラム全曲解説】

< >の中は楽曲が使用された映画と登場時間

I’m Not In Love -10cc

<Virgin Suicides 0:57:30>

歌詞では自分は恋なんかしていないと何度も繰り返しながら、恋の感覚に満ち満ちた曲。厳格な母親をなんとか説得して学園祭のダンスパーティーに行けることになった四姉妹(末っ子は既に自死した後の場面)。投票でベストカップルに選ばれたラックスとトリップを筆頭に、パーティー会場の陰でこっそりピーチリカーの瓶を回し飲みしたり、キスしたり。たくさんの弦楽器と効果音の層が重なりとてつもなく美しく響く原曲のフィーリングをリハーモナイズ(和音の響きを変えること)によって再解釈し、再構築を試みる。

So Far Away – Carole King

<Virgin Suicides 1:19:19>

末の娘の自殺、そして四女のラックスの朝帰りで気がおかしくなった母は、娘たちを家に閉じ込めて、学校に通うことさえ禁止する。そんな中、四姉妹を慕う男の子たちは、なんとか彼女たちとコミュニケーションを取ろうとする。通常の電話は取り次いで貰えない。そこで電話をかけて、何を喋らずレコードをかけ、メッセージを送る。電話ごしに姉妹から返ってきた曲は、”So Far Away”。「あなたはとても遠いところにいる。ずっと同じ場所にいられる人なんているのかしら?もしあなたが私の部屋のまえに来てくれたら、どんなに素敵なことでしょう。でもあなたはとっても遠いところにいる。そしてそれを知ることは、なんの助けにもならない」

Alone Again (Naturally)

<Virgin Suicides 1:18:36>

こちらも四姉妹と男の子たちがレコードをかけあってコミュニケーションを図ろうとしていた場面で。「もう少し経って、そのときに気分が少しでもよくなっていなかったらね、私は自分と約束したの、近くの塔を訪れるって。てっぺんに登って、そこから身を投げる。自分が取り残されて、ぼろぼろになっている感覚ってわかるかしら」絶望的な歌詞とは裏腹に、Gilbert O’Sullivanは明るくリズミカルに歌い上げる。

Teddy Bear

<Somewhere 1:03:53>

イタリアのテレビ番組でのひと仕事を終え疲労困憊、娘のクレオと一緒にロサンゼルスのホテルに戻ってきたジョニー。そこでホテルスタッフのロムロが1曲歌いましょうか?と声をかけてくる。ロムロが歌うのがこの曲はエルヴィス・プレスリーのヒットナンバー。優しい歌を親子が穏やかに聴く様子は本作の中でもいちばんスウィートな場面のひとつ。「ベイビー、僕を君のテディベアにして。紐をつけてどこにでも連れていって、髪を指に滑らせて、ぎゅうって抱きしめて、毎晩一緒だよ」

Magic Man – Heart

<Virgin Suicides 0:35:56>

四女のラックスと恋仲になるフィリップの登場シーンで。彼が歩くと学園じゅうの女の子たちが振り返る。遅刻しても、校内でマリファナを吸っても(!)その魅力によって許されてしまう。彼はラックスに恋をする。ラックスもすれ違った全ての男性たちを虜にしてしまうような小悪魔的で性的な魅力に溢れていて、それを自覚してもいる。退屈しのぎに男の子たちにちょっかい出してみたり。最初はフィリップを冷たくあしらうラックスだったけれど…。十代の男女のひりひりするような危うい関係。「彼が言うの、僕のことをまだ愛さなくてもいいから、ハイになろうよ。でも私はもう夢中で、ママはとても心配してるけど、でも彼って魔法が使えるの。ねえわかって、わかって、わかって」

I Fall In Love Too Easily – Chet Baker

<On the rocks 00:51> 

映画の冒頭、ビル・マーレイが演じる父フェリックスが、娘ローラに言う。「結婚するまでは君は僕のものなんだからね。いや、結婚した後も僕のものだな」

いきなり場面が変わってローラの結婚式。夫に促されてウェディングドレスのまま式場を抜け出すローラ。ベールを付けたままプールに飛び込む。ここまでずっとチェット・ベイカーの歌う”I Fall In Love too Easily”がかかっている。「自分は簡単に恋に落ちてしまう。その速度は速すぎるし、深すぎる、恋が永遠に続くためには」

It might as well be spring – Bill Evans Trio

<On the rocks 1:02:10>

ローラが父親にパーティーに連れ出される場面はビル・エヴァンストリオの名演。父フェリックスが登場するときにはほぼジャズスタンダードが流れてくる。NYの街には本当にジャズがよく似合う。父を待って手持ち無沙汰になりソファに座ったローラは老婦人の話に付き合わされることになる。「結婚は預貯金のようなもの。きちんと貯めたぶんだけ、将来引き出すことができるようになる。長持ちの秘訣はコスチュームよ」

10/18赤坂dot&blueライブへの誘い 

誰かを好きになることは、君になりたい、という感覚を多分に含んでいる。だからThe Cureのロバート・スミスは”Why can’t I be you?”と歌ったのだ。しかしそれは対象と同化したいという、イノセントで、些か幼稚な願望である。

2001年にジャズボーカルとしてのデビューアルバム、”Anything Blue”を発表した後、必要に駆られ、実質上の2ndアルバムをたった1ヶ月で制作した。”Sweet and Lowdown”という、こちらはウディ・アレン監督の映画作品の中に出てくる楽曲のみで構成された作品。このアルバムに続いて、今秋はまた新たに文学作品と映画作品にインスパイアされたライブを2公演開催する。

ひとつは9/26(火)関内Ben Tenutoでのソフィア・コッポラ監督の映画音楽特集。

そしてもうひとつがこのライブ、Music from the book, “The Crazyladies of Pearl Street” by Trevanian。 江國香織氏の名訳『パールストリートのクレイジー女たち』で日本でも広く知られることとなったトレヴェニアンの自伝的小説であり、遺作である。

言葉というのは音楽のようなもので、音楽というのは言葉のようなものだと思う。どちらが先に発されたのか、ほんとうに同時だったのかもしれない。概念上の区分け次第ではあるけれども。文体とは歌なのだ。作家は歌う。トレヴェニアンの歌う、独特の、楽しく、哀しく、でもやっぱりとっても楽しい歌。

それとはまた別のこととして、この本には、音楽が溢れている。特に「パールストリートブルース」と題された章では何十曲ものアメリカ30年代当時のポピュラー音楽が(もちろんジャズも当時のポップスである)物語の構成要素として登場する。果たして2020年代に生きる私たちが、この楽曲群のうち何曲を口ずさむことができるだろうか?この楽曲群は鳴らされるべきだ。たとえそれが、パールストリートから海を隔てて1万キロ以上も離れた赤坂の地だとしても。

作品は一度この世界に生み出されたら、作家の手を離れる。作家は読者として、また自分の作品と出会うことになる。テクストは、読者に読まれることによって生まれ変わり、更新されてゆく。そしてその祝福は半永久的に続くのだ。めくるめく美しい物語に愛と感謝を込めて。

【詳細】

10/18(水)赤坂dot&blue

https://www.dot-blue.net

東京都港区赤坂7-9-7 バルビゾン74 1F

赤坂駅より徒歩5分

03-3568-3188

MC 

予約¥3000

当日 ¥3500

加藤咲希(DJ & Vocal)

浅川太平(Piano)

⏰タイムスケジュール⏰

19:00-19:40 DJプレイ

19:40-20:10 ピアノソロ

20:40-21:40 ボーカルライブ

(入れ替えなし)

実はこのトレヴェニアン特集とソフィア・コッポラ特集は双子の企画。

http://www.sakikato.com/?post_type=tribe_events&p=2318&preview=true

現代の都会に生きる女性と、近過去に都会を生き抜いた男性。どちらの物語も美しく、そして美しい物語には美しい音楽が欠かせない。

港町関内で、あるいは赤坂の地で。奇妙なメディアミックス体験にいらして下さいませ。

9/26(火)関内Ben Tenutoソフィア・コッポラ特集ライブ開催決定のお知らせ🦄💖

9/26(火)関内Ben Tenuto

🌈ソフィア・コッポラ特集ライブ開催決定のお知らせ🦄💖

コロナ罹患により、体調のことでご心配をおかけしております🙇‍♀️昨日からガイドラインによる自主隔離期間は明けています。

以前から計画していたこちらの特別ライブ、浅川Pとの話し合いの結果、予定どおり開催させていただくことになりました!(PはプロデューサーのP、そしてピアノのP🎹)

でき得る限り、精魂込めてやらせていただきます!このライブには特別な想いがあります。

まず地元横浜で、私のDJが初お披露目であること🎧✨

そして映画音楽シリーズとして、新たにソフィア・コッポラ監督の映画音楽からのみ選曲し、全曲新曲をお届けすること🌈🦄(浅川Pのオリジナルアレンジ曲を多数含みます)

DJ、ピアノソロ、ボーカルライブの三部構成になっているので、どこを切り取っても楽しんでいただけるのではないかと思います✨

⏰タイムテーブル⏰

19:00-19:40 DJ 

19:40-20:10 ピアノソロライブ

20:40-21:40 ボーカルライブ

ソフィア・コッポラ監督って誰?全然知らない!というそこのアナタ、全く問題ありません〜(まあ、一言で説明すれば、フランシス・フォード・コッポラ監督の娘さんですけど!)。音楽に造詣が深いソフィアの映画音楽は、例えば以下のような、皆が大好きなキラキラのポップスで埋め尽くされています。王道なようで微妙な外しの抜け感、甘くて切ない、女の子の世界です。

So Far Away – Carol King

I’m Not In Love – 10cc

Alone Again (Naturally) – Gilbert O’Sullivan

風をあつめて – はっぴいえんど

ジャズ曲も多用されていて、

I Fall In Love Too Easilyや、Smoke Gets In Your Eyes等のスタンダードも散りばめられています。

これらの楽曲を、ボーカルライブ、もしくはピアノソロでお届けします。浅川Pのピアノソロもぜひお楽しみに!

ライブ前に、1, 2作観れるかも、という方は、ぜひ”Virgin Suicides”か、”Lost In Translation”をおすすめします。

実はこの夏、私はとある自発的な取材でヨーロッパにいました。この件に関してはまた後日ご報告させて下さいね。

そして偶然にも偶然が重なり、80周年記念を誇るヴェネチア国際映画祭の現場に足を運ぶ機会に恵まれたのです。そこにはソフィア・コッポラ監督が、新作とともに訪れていたのでした。

 【詳細】

9/26(火)関内Ben Tenuto

https://ben-tenuto.owst.jp

横浜市中区弁天通3-48 

045-263-6778

MC 

予約¥2500

当日 ¥3000

加藤咲希(DJ & Vocal)

浅川太平(Piano)

実はこのソフィア・コッポラ特集と10/18(水)赤坂dot&blueでのトレヴェニアン特集は双子の企画。

http://www.sakikato.com/event/music-from-the-b…-of-pearl-street/

現代の都会に生きる女性と、近過去に都会を生き抜いた男性。どちらの物語も美しく、そして美しい物語には美しい音楽が欠かせない。

港町関内で、あるいは赤坂の地で。奇妙なメディアミックス体験にいらして下さいませ。

この夏最後のライブのお知らせ。

“Summer Sloth vol.2”
Bossa Nova & Jazz Live Show🏝

8/24(木)関内Venus
August 24th at Venus, Kannai

加藤咲希Saki Kato(Vo.)
浅川太平Taihei Asakawa(Pf.)

小説『異邦人』のムルソーは「太陽が眩しかったから」と言い、映画『太陽がいっぱい』はタイトルがそのもの。セシルが『悲しみよこんにちは』と呟いたのは真夏のコート・ダジュールでした。

Bossa Nova, Jazz, Lilla Flicka名義の ”Heavenly Blue”アコースティック英語詞ver.も織り交ぜて。贅沢な夏の最後のライブです。

https://www.venus-hk-j.com

横浜市中区太田町2-27ザ・バレル飛高ビル4F045-228-8559

1st 19:40, 2nd 21:00, 3rd 22:20

Charge
男性 ¥6,000軽食付
女性 ¥5,000 軽食+1 drink付

Jazz & bossa nova live show 7/21(金)関内Venus

次回ライブのお知らせ✨

“Summer Sloth”
Jazz & bossa nova live show🏝
7/21(金)関内Venus
July 21st at Venus, Kannai

https://www.venus-hk-j.com

横浜市中区太田町2-27ザ・バレル飛高ビル4F045-228-8559

加藤咲希(Vo.)
浅川太平(Pf.)

1st 19:40, 2nd 21:00, 3rd 22:20

今回のライブは“Summer Sloth”特集🐠
slothには、怠惰、ゆっくり動く人、もしくは動物のナマケモノという意味があります。

私はとにかく海が大好きで、特に夏、夏前後の数ヶ月は、体が海にいないときも、心は海にあります。何年かまえの夏に葉山の避暑地に滞在していたときに、海辺のオープンカフェで、美しい二人姉妹に遭遇したことがありました。と言っても交流があったわけではなくて、私は彼女たちを眺めていただけなのですが。何時間もの滞在時間の中で、白く細い彼女たちはひと言も喋らなかったし、何も食べなかった。海に面した方向に隣同士に座り、ただ彼女たちは、ピニャ・コラーダやマリブコーク等の甘くてアルコール度数の低いカクテルを、だらだらと飲み続けていたのでした。ロシア文学だったか、フランス文学だったか…姉妹のどちらかが何らかの文庫本をときおり開いて眺めていたような気がしますが記憶のねつ造かもしれません。記憶の主な役割はねつ造と再生です。

夏は過酷で暴力的でもある。『異邦人』の中でムルソーは「人を殺した理由」を問われると、「太陽がまぶしかったから」と答えるし、『太陽がいっぱい』(素晴らしい邦題)の完全犯罪は真夏の光が降り注ぐ白昼の海の上で起こる。これは何の科学的裏付けのない私の個人的な感覚だけど、スウェーデン人の鬱病罹患率が高いのは、冬が長いせいだけではなくて、夏の白夜のせいではないのかしら。ほとんど夜が来ない、ほぼ常に昼というのは、摩訶不思議な、ある種狂気的な世界です。

そんな夏の暴力的な側面も数々の素晴らしい物語を生み出して来ましたが、今回はあえて気怠い美人姉妹の夏の記憶を、最大限のチルアウトとして、再生してみたいと思います。つまり夏に涼しいライブです。ヨーロッパ人は老若男女、夏には平気で6週間とか休みを取りますが、なかなか日本の大人には難しいもの。ではせめてライブ鑑賞の際は…ぜひ本気でリラックスしにいらして下さい。Bossa Novaや夏にちなんだスタンダードをたっぷりと緩やかに。

とは言え、相変わらず私の中にこっそり選曲の裏テーマがあるだけなので、ふらっといらして下さった方は、スタンダードを歌っているんだな、と思われるだけだと思います(笑)

今考えているセットリストは、
Summer Night
The things We Did Last Summer
When Sumner Comes
Meditacão
Corcovado
Photographia
等々。

ごゆるりとお楽しみ下さいませ。

Vivir bien es la mejor venganza!
(優雅に暮らすことが最高の復讐である)

スペインの諺だそうです。

6/16 Ben Tenuto出演

ジャズボーカルライブのお知らせです🎙✨
6/16(金)関内Ben Tenuto

Jazz live show at Ben Tenuto, Kannai
June 16th @ 7:00 pm – 11:00 pm

https://ben-tenuto.owst.jp

横浜市中区弁天通3-48045-263-6778

【出演】
加藤咲希(Vo.)
浅川太平(Pf.)

1st 19:00, 2nd 20:10, 3rd 21:20

うっとりするような音色のグランドピアノ🎹
お食事も美味しいと評判です✨

今回もWoody Allenの映画音楽の世界もさらに進化させていきたいと思います🌃

引き続き、今回のライブのテーマもWoody Allen監督の『ウディ・アレンの愛と死』という映画。

1stは愛について
2ndは死について
3rdはWoody Allenの映画の劇中歌の中から選曲

とは言え、相変わらず私の中にこっそり選曲の裏テーマがあるだけなので、ふらっといらして下さった方は、スタンダードを歌っているんだな、と思われるだけだと思います(笑)

ジャズスタンダードの海の中に90-2000年代のヒットチューンも散りばめて。

選曲の妙で引き続きこのコンセプトライブにはBjörkのHyper-ballad、Britney SpearsのToxicもなぜか入っちゃう〜。

ご予約いただくと¥3500のミュージックチャージが¥500ディスカウントになるので、お越しをご検討下さってる方はぜひご予約を✨

最近またちょっとずつなら飲めるようになりました🍷

Pisces Sisters live show at Contrail on May 9th

次回、Pisces Sistersのライブは…💙

5/9(火)コントレイル渋谷
At Contrail Shibuya on 9th May

復活!パイシス・シスターズ第二弾✨
Pisces Sisters Reunion🐠Vol.2

Claire Natirbov (Vo.)
加藤咲希(Vo.)
浅川太平(Key.)

Open 6:00pm
1st 7:00
2nd 8:15
Charge ¥1,000 + TIP

カリフォルニア/N.Y.出身のアメリカンガール、Claireとのボーカルデュオ、パイシス・シスターズの復活ライブ第二弾です✨

Claireは夏前にいちど日本を留守にする可能性があるので、次のライブまではまたしばらく開いちゃうかも〜💦 なので、ぜひこの機会にお越し下さいませ❣️

The Andrew Sistersのヒットナンバーとして有名なBei Mir Bist Du Schön、Rum and Coca-Cola。

そしてMoon River、Girl from Ipanema等の珠玉の名曲は浅川太平さんのオリジナルデュオアレンジで歌います♊️

Claireが好きな日本語の歌詞がついている曲ということで、ザ・ピーナッツの『可愛い花/Petite Fleur』、荒井由美の『ひこうき雲』も引き続き歌います🌸

オルタナ&ロックも好きな私たちはNirvanaのHeart Shaped Boxもやったります❣️
すんごい暗くてポップな名曲。歌詞の最初にPisces出てくるし🐠カートも魚座だったんだよね。

ぜひご予約の上、お越し下さいませ✨

4/18関内ヴィナス出演

ふと思いたち、明日4/18の関内Venusライブ、各セットをコンセプチュアルに組んでみました✨

1stは愛が溢れて溢れて仕方ないという、頭がおかしい感じの楽曲達を🌸
全てはスウェーデンのジャズ/ポップス歌手Lisa Ekdahlの楽曲、”Rivers Of Love”にインスパイアされ始まったことです(あと花粉とLilla Flickaさんのせいです)。この曲は当時のLisaのパートナーのSalvadore Poe(すごい名前だ)がしたためたナンバーだとか。

2ndは去年から取り組んでいるウディ・アレンの映画音楽特集🌃🎬で、小粋な佳曲群を。日常そのものが美しいのだから、毎回がクライマックスでなくてよいのです。と言っても劇的な曲も多数含んでいるのですが、ウディの映画でかかっていたのだと思うと、まるで自分が映画の中の登場人物であるような、客観性のある不思議な視点が生まれます。

3rdはデビューアルバム”Anything Blue”からの楽曲のみ💙🎙レコ発以来歌っていなかった曲も歌います。ここ数年、常に新しいことしかやっていなかったので、デビュー後に私のことを知って下さった方々には逆に新鮮で貴重な機会かもしれません。

もちろん、私の裏コンセプトなど知らずにふらっといらして下さった方々にもお楽しみいただけるように、それぞれのセットに満遍なくスタンダードを散りばめてあります✨

お越しをお待ちしております♫

4/18(火)関内Venus

https://www.venus-hk-j.com

横浜市中区太田町2-27
ザ・バレル飛高ビル4F
045-228-8559

【出演】
加藤咲希(Vo.)
浅川太平(Pf.)

1st 19:40, 2nd 21:00, 3rd 22:20

TC (MC込み)
男性 ¥6,000 お通し2品付き(税別)
女性 ¥5,000 お通し2品.Onedrink付き(税別)

Jazz live show April 18th

Lilla FlickaさんがDJデビューに震えているのを横目で見つつ、わたくし咲希は黙々とジャズライブの準備をしています🎙💕✨

4/18(火)関内Venus
April 18th Jazz live show at Venus, Kannai

https://www.venus-hk-j.com

横浜市中区太田町2-27 ザ・バレル飛高ビル4F Tel: 045-228-8559

【出演】
加藤咲希(Vo.)
浅川太平(Pf.)

1st 19:40, 2nd 21:00, 3rd 22:20

TC (MC込み)
男性 ¥6,000 お通し2品付き(税別)
女性 ¥5,000 お通し2品.Onedrink付き(税別)

花粉症に疲れ切った(私の 笑)心身がちょっぴり温かくなるような、小粋な佳曲を。人々を惹きつけてやまないスウィング。スウィングが好きでない人なんているのかしら。アメリカ最大級の発明のひとつ!

そうそう、お誕生日にプレゼントしていただいたウディ・アレンの分厚い自伝、2/3くらいまで来たのですが、ウディ最高すぎる。心はNYのダイナー、エレインズに飛んでいます。そこにはルイーズ・ラッサーやダイアン・キートンやマリエル・ヘミングウェイがいるに違いない。もちろんお散歩はセントラルパークで。野毛山動物園でもいいけどね!